産地や飲み方で味わいが変わる
紅茶の世界

つかの間の休憩時間や、一日の終わりのリラックスタイムに、香り豊かな紅茶を楽しんでみませんか。
紅茶は、産地や茶葉の種類、淹れ方によって香りや味わいが大きく変わる奥深い飲み物です。
今回は、そんな紅茶の魅力についてご紹介します。

世界で最も飲まれているお茶は「紅茶」

 日本ではお茶と言えば緑茶のイメージが強いですが、世界的にみると最も愛飲されているのは紅茶です。20数ヵ国で生産されていますが、主要産地はインド・スリランカ・ケニア・インドネシア・中国の5ヵ国。産地によって味や香りが変わります。

インド
世界最大の茶葉生産地。北インドと南インドで茶葉の味わいが変わる。代表的な茶葉はアッサムやダージリンなど。個性的な味を楽しめるものが多い。

スリランカ
色と香り、味のバランスが良い茶葉が多い。ウバ、ヌワラエリヤが代表的。

ケニア
近年、生産量が増えている。クセの少ないフレッシュさとマイルドな味わいが特徴的。

インドネシア
代表的な茶葉はジャワ。フレッシュな香りとマイルドな味わいが魅力。ブレンドティーに使用されることも多い。

中国
独特な香りを楽しめる茶葉が多く、アイスティーに向いている。代表的な茶葉はキーモン(祁門)、雲南 など。

 紅茶の種類に迷ったら、主要産地のものから選ぶのもおすすめです。

茶葉の発酵度で変わるお茶の種類

 紅茶も緑茶もウーロン茶も、もとは同じ茶葉から作られています。それにもかかわらず、香りや味わい、色合いが異なるのは「発酵(酸化)」の度合いが違うためです。
 茶葉を摘み取った後、すぐに加熱して酸化を止めた「不発酵茶」が緑茶です。一方、酸化を途中で止めた「半発酵茶」がウーロン茶、酸化を十分に進めた「発酵茶」が紅茶です。
 紅茶は、温度や湿度を適切に管理した環境で茶葉を発酵(酸化)させることで、豊かな香りや深いコクが生まれます。

茶葉の産地で変わる風味

 紅茶の多くは茶葉の産地にちなんで名付けられています。なかでも「世界三大紅茶」として知られているのが、ダージリン、ウバ、キーモンです。それぞれ香りや味わい、水色(すいしょく)、おすすめの飲み方に特徴があります。

ダージリン 産地は北インドのダージリン地方。とても香りが高いのが特徴。香りをしっかり楽しめるストレートティーで飲むのがおすすめ。水色はオレンジ色。

ウバ 産地はスリランカ南東部のウバ地方。強い香りと個性的な苦みが 特徴的。高級ウバはカップに注いだ 際、縁に金色の輪ができ、この輪はゴールデンリングと呼ばれている。水色は赤みがかったオレンジ色。

キーモン 産地は中国・安徽省祁門県。蘭を彷彿とさせる華やかな香りとスモーキーさを感じられる。甘みを感じられるため飲みやすい。ストレートティーやミルクティーで飲むのがおすすめ。水色は明るい赤。

ダージリンは旬で呼び方が変わる

 世界三大紅茶の一つであるダージリンは、春・夏・秋の年3回収穫されます。収穫時期によって「ファーストフラッシュ」「セカンドフラッシュ」「オータムナル」と呼ばれ、それぞれ香りや味わいに違いがあります。季節ごとの個性を飲み比べて楽しめるのも、ダージリンならではの魅力です。

ファーストフラッシュ(春摘み) 収穫量が少ないため希少価値が高い。みずみずしく爽やかな香りと、すっきりとした繊細な味わいが特徴。
セカンドフラッシュ(夏摘み) 成熟した葉を使用。ファーストフラッシュに比べると爽やかさは落ちる。コクと芳醇な香りを感じられる。
オータムナル(秋摘み) 成熟がさらに進んだ状態の葉を使用。ほどよい甘みを感じられ、紅茶らしい深みのある風味を味わえる。

ブレンドティーとフレーバーティーの違い

 紅茶の魅力は、茶葉の特徴や好みに合わせてさまざまな楽しみ方ができることです。ストレートティーやミルクティーといった定番の飲み方はもちろん、ブレンドティーやフレーバーティーを取り入れることで、紅茶の世界はさらに広がります。

ブレンドティー

 ティーブレンダーと呼ばれる専門家が、複数の茶葉を組み合わせて作ります。代表的なものは、ロイヤルブレンド、イングリッシュブレックファースト、アフタヌーンブレンドなど。それぞれの茶葉の個性を生かしながら、香りや味わいのバランスを追求しているのが特徴です。

フレーバーティー

 紅茶に果実や花、スパイスなどの香りを加えた紅茶です。代表的なものは、ベルガモットで香り付けしたアールグレイです。そのほかにも、アップルティーやチョコレートティー、キャラメルバニラティーなど、さまざまな種類があります。

日本紅茶も注目されている

 紅茶の名産地というと海外を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日本国内でも九州地方や静岡県を中心に「べにふうき」や「べにひかり」などの紅茶専用品種が栽培されています。
 日本産の紅茶は各茶園ごとに異なった個性の茶葉が生産されていますが、全体的には渋みが控えめで、ほのかな甘みとやさしい味わいが特徴となっています。食事との相性も良く飲みやすいため、茶葉本来の風味を楽しめるストレートティーにも適しています。

紅茶の魅力を暮らしに

 産地や収穫時期によって風味が変わる奥深い紅茶に魅了され、大人の趣味として嗜む人も少なくありません。いつものリラックスタイムや新しい趣味として、紅茶を楽しむのはいかがですか。