医療法人化は分院展開のスタートライン
次の成長ステージを見据えた経営判断

 開業後、患者数と収益が安定し、組織としての基盤が整い始めると、クリニック経営は「次のステージ」を意識する段階に入ります。その代表的な選択肢が医療法人化と分院展開です。
 医療法人化は節税手段として取り上げられることも多く、その目的での法人化も合理的です。しかし、将来的に分院展開や組織拡大を視野に入れる場合には、節税にとどまらない制度的なメリットが生まれ、むしろ法人化が不可欠な選択肢となります。

医療法人化を検討すべき主なタイミング

 医療法人化は、「節税メリットが最大化する規模感」や「今後の組織づくりが必要となる局面」が重なってくるほど、選択する合理性が高まります。
 どれか一つの理由からでも検討に足るものであり、複数の要素が並行して生じている場合には、特に優先度が増します。

医療法人化が分院展開の起点となる理由

 現行制度では個人開業は1施設の運営に制限されている一方、医療法人は複数施設の運営が可能です。これにより、診療圏の拡大、稼働率の分散、組織的な人材育成、医療サービスの多角化といった中長期戦略が描けるようになります。
 特に自費診療比率の高いクリニックや若年層の流入が多い診療科では、複数拠点による収益ポートフォリオの構築が収支の発展と安定に直結します。

分院経営で直面する「人材・組織」の課題

 分院長候補の確保と育成、権限設定、本院と分院の運営ルール統一、看護師・事務スタッフの配置や異動ルールなど、人材に関する論点は多岐にわたります。
 特に分院長は「院長代理」ではなく、一つの事業を担う責任者です。評価制度・職務分掌・意思決定権限を曖昧にしたまま展開すると、運営負荷やトラブルのリスクが高まります。
 医療法人化には理事会や規程の整備が必須です。これを単なる『形式上の申請手続き』で終わらせず、分院展開を見据えた組織・人材戦略をしっかり加味することが重要です。

まとめ

 医療法人化は節税のみを目的とする制度ではなく、分院展開・人材育成・組織ガバナンス・行政対応・収益基盤の安定化を包括した成長戦略の起点です。分院展開を視野に入れ始めた院長にとって、医療法人化はまさに「次のステージへのスタートライン」。各テーマの具体的な進め方や実務上の留意点は、左ページでご案内する当社セミナーにて体系的に解説します。

※本稿は一般的解説です。個別判断には各領域の専門家へご相談を。

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