Renovation Report
リノベーションリポート

Renovation Report リノベーションリポート

1991年に開院した狛江市にある石倉整形外科。
2024年8月、シンリョウのコーディネートで開院以来
初めての大規模リノベーションを実施し、
より快適な空間へと変化しました。
内装をリノベーションするまでの悩みや
リノベーション実施の経緯について、
副院長の石倉哲仁さんに話を聞きました。

開院以来はじめての大規模リノベーションを実施

 小田急線狛江駅から徒歩10分弱の場所にある「石倉整形外科」。1991年の開院以来、35年間、地域の医療を支えてきた。年月と共に来院者数は増加。混雑時には待合室のソファが埋まり、立って順番を待つ患者もいたそうだ。また、院内の入り口や廊下に段差があることも気になっていたという。
 「患者さんが安心して通院できるように内装を変えたいと考えました。車椅子のユーザーや歩行に補助が必要な人が移動しやすいようにバリアフリー化も進めたかったんです」
 そう語るのは、石倉整形外科の2代目で、副院長を務める石倉哲仁さん。入り口の段差をスロープに変えて、さらに待合室にソファを増やすには、待合室の拡張が必要だった。そこで石倉さんは、待合室の会計スペースにある紙カルテの保管棚に着目する。
 「カルテの電子化を進めることができれば、紙カルテの保管場所が不要になる。その空いたスペースを活用しよう」
 このように考えて、リノベーションを決意した。

医療スペースの困りごとに寄り添うシンリョウ

 当初は地元の工務店にリノベーションを依頼するも「医療機関のリノベーションを施工した経験がないため難しい」と断られた。石倉さんは医療機関の内装工事やデジタル機器の導入を依頼できる企業をインターネットで検索。2024年2月にシンリョウへ連絡を取ったところ、待合室の拡張・電子カルテの導入・バリアフリー化を同時に進められることがわかり、リノベーションを進めるパートナーにシンリョウを選んだ。
 まずは、対面での打ち合わせを行い、その後は主にメールや電話で協議を進めた。
 「日中は診察を行っているため、対面での打ち合わせの時間を取りにくいんです。シンリョウさんは、電話やメールで相談できるので、とてもありがたかったです」 
 迎えた2024年8月、長期休暇に合わせて約2週間でリノベーションの工事を実施した。

ゆとりのある待合スペースとバリアフリーを実現

 リノベーションによって石倉整形外科の待合室は以前よりも広くなり、患者が座るソファも一新した。さらに、隣り合う診察室の間にある壁を撤去し、ひとつの部屋に改装。その部屋の廊下側のスペースに5人が座って待つことのできる中待合室を作り、奥側を診察室にした。
 「ふたつある診察室のひとつはあまり使用していませんでした。『待合室以外にも座れるスペースが増やせたら快適では』とシンリョウさんに提案いただいて、診察室をひとつに減らしたんです。患者さんの負担を軽減できました」
 医院の入り口に手すりつきのスロープを設け、待合室や廊下の段差をなくすことで、バリアフリーも実現できたという。車椅子のユーザーや歩行に補助が必要な人もスムーズに移動できるようになったそうだ。
 今後は同じ敷地内にあるリハビリテーションスペースのリノベーションも進めるとのこと。
 「現在提供している予防医療やリハビリにも力を入れていきたいと思います。ケガの治療だけではなく、予防もサポートできる医院にしていきたいです」
地域医療を支え続ける石倉整形外科の未来の姿が目に浮かんだ。

副院長の石倉哲仁さん。

text & interview: 永見 薫 photo: 森本 絢