獺祭 味わう酒を求めて。

獺祭について
酔うため、売るための酒では無く、味わう酒を求めて。
大量販売の論理から生まれた酔えばいい、売れればいい酒ではなく、おいしい酒・楽しむ酒を目指してきました。何より、酒のある楽しい生活を提案する酒蔵であり続けたいと考えています。生活の、一つの道具として楽しんで頂ける酒を目指して、「獺祭」を醸しております。もちろん、ただこだわって、売れなくてもいいから 「幻の酒」になりたいというつもりはありません。ともすれば、酒蔵も酒販店も、売るテクニックや自分だけの生き残りの戦術として幻戦略に走ったり、余りにも細部にこだわり過ぎて「造りの細部にまでそんなにこだわらないけどおいしい酒が欲しい。こだわるのは酒蔵の仕事だ」というお客様の声無き多数意見を無視している姿が見受けられます。
私どもは品質にこだわりぬいて造ったお酒だからこそ、少しでも多くのお客様に知って頂きたい。そんな私どもの酒造りの心に共鳴して頂ける酒販店様と共にお客様に私どもの酒を紹介していきたいと思います。

「DASSAI BLUE」 について
私たち旭酒造は、現在ニューヨークのマンハッタンから北に2時間ほどハドソン川を北上した、ハイドパーク市に酒蔵を建設中です。
ニューヨークで造るお酒は、「獺祭」とは別のブランド名で『DASSAI BLUE』。2023年の発売を目指しています。
「DASSAI BLUE」のコンセプトは日本のことわざ「青は藍より出でて藍よりも青し」に由来しており、「日本で作られるオリジナルの獺祭を超える」という想いからこの名が当てられました。
造られる酒は最高級酒の純米大吟醸のみ。NYの水が使用され、米は山田錦が使用されますが、こちらは米国産と日本産の両方を使用する予定です。

蔵元日記 2023.3.16
『これまでの失敗経験棚に上げ、こりない蔵元(会長 桜井博志72歳)、ニューヨークに行く』
ニューヨークの酒蔵もやっと完成のめどがつき、私もニューヨークに発ちました。この記事を皆様が読まれている頃には、アメリカの住民になっているところかもしれません。
現地に赴任しているのは、獺祭の酒蔵の初代と二代目工場長、もう一人も経験年数15年を超すベテランの三人です。技術的には全幅の信頼を置いている人材と言えます。今更私が行く意味あるの?当然の疑問です。ふつう日本の企業ではこういう局面で会長は行きません。それでもなんで行くの?彼らを信用してないの?
いえいえ、信用してます。しかし、こういう局面で、派遣されるスタッフが優秀であればあるほど、今までの評価が確立していればいるほど、失敗したくないというのがスタッフの本音です。失敗しないよう万全の準備はしたつもりです。しかし、そんなことはこの世界でありえないということは皆さんもご存じのとおりです。
そのあたりはスタッフも本能的に知っています。ではどうするか。失敗しないようにします。それは、どうするかというと、高いレベルの挑戦をしないこと。挑戦をしなければ失敗の確率は格段に下がってきます。そして、挑戦できない理由を探してきます。悪いことに優秀であればあるほど、その理由は文句のつけようがない理路整然としたものを探してくるでしょう。
これではアメリカの酒蔵を80億もかけてやる価値がない。だから行くんです。彼らと一緒に失敗して、対処方法を模索して、より高い到達点に届かせるために行きます。アメリカ住まいは現在の計画では一年のつもりです。皆さん、72歳の年を自覚してないこりない蔵元のアメリカ生活、また現地で起こったこともご報告するつもりです、ご期待ください。

